2013.06.14 : 平成25年6月定例会(第8日) 本文より抜粋 壹岐 和郎君  障害者の自立支援についてお伺いします。障害者がつくった製品や提供するサービスを優先的に購入するよう国、地方自治体などに求める障害者優先調達推進法が四月からスタート、障害者の雇用機会が広がると期待されております。障害者の工賃アップや就労機会の拡大には、景気の動向にかかわらず、仕事を確保できるようにすることがその鍵となると思います。このたび、障害者に対して、将来も安定して仕事が入ってくることにつながる国、地方自治体からの仕事の優先受注の仕組みができたことは、まことに大きな意義があると思います。この法律で、国や地方自治体などは毎年度、障害者就労施設等へ発注する物品等について、その調達目標を定めた調達方針を策定、公表するとともに、その実績の公表も求められております。  そこで知事にお伺いします。障害者優先調達推進法が施行された中で、本県における障害者自立支援の背景について、どのような認識を持たれていたかお聞かせください。  二点目、本県における調達方針の策定状況及び調達拡大のための取り組みについてお聞かせください。  三点目、小さな福祉施設も含め、就労施設等の状況把握をどう進められておられるのか、また物品購入以外の役務の発注についてはどう考えておられるのかお聞かせください。  この項の最後の質問ですが、障害者の自立支援の新制度がスタートしました。今回の法律を活用し、より実効性のある制度に育て、一人でも多くの障害者に経済的自立の道を広げていくことが大切だと思います。  そこで知事に提案ですが、チーム県庁として、まずは全庁挙げて仮称障害者優先調達推進庁内連絡会議を立ち上げ、取り組む目標も明確にするとともに、各市町村や民間企業への取り組みに対しても、本県がしっかりした幅広い場面での情報発信に努めるべきと思いますが、知事の見解を求めます。   知事(小川 洋君)  次に、障害者自立支援について、その背景でございます。障害者の皆さんが個性や能力を発揮して働き、地域で自立した生活を送っていただける社会を実現していくためには、障害者の皆さんの一般就労への移行、それから工賃の向上が重要であると考えております。県内の就労事業所の利用者は約八千人、平成二十三年度に一般就労へ移行された方は三百六十五人でございます。これは福岡県障害者福祉計画における平成二十六年度目標値四百五十人に対し、八一%の達成率となっている状況でございます。  また、障害者施設で働いておられます皆さんの工賃月額は、平成二十三年度は前年度と比べ九百九十三円上昇いたしまして一万二千七百八十四円となりましたが、依然全国平均の一万三千五百八十六円を下回っている状況でございます。  障害者優先調達推進法に基づく国の基本方針がことしの四月二十三日に閣議決定されました。この基本方針におきましては、調達目標額が前年度実績を上回るように定められたところでございます。県では、各部局の平成二十三年度の調達実績に引き続きまして、現在、二十四年度の実績の調査を行っているところでございます。今後、この調査結果を踏まえ、速やかに県の調達方針を策定していく考えでございます。また、調達実績と各障害者施設が取り扱っておられる製品、サービスの内容を情報提供していくことによりまして、各部局の調達拡大を図ってまいります。また、今後国では、競争入札参加資格の中で配慮すべき措置として、障害者就労施設等からの調達実績を加味することについて必要な措置を講ずることとされております。県におきましても、この国の措置を踏まえまして検討してまいります。  就労施設等の状況把握と物品購入以外の役務の発注についてお尋ねがございました。県では、就労支援を目的とし、最低賃金の適用を受けない就労継続支援B型事業所に対する工賃調査を毎年度実施をし、受注実績、対象物品、サービスを把握してきております。なお、生活支援を目的としていたため、これまで工賃調査の対象外とされておりました小規模作業所や生活介護事業所等につきましても今回の障害者優先調達推進法の対象事業者となりましたことから、今後、これらの施設が取り扱う製品、サービスの状況についても把握をしてまいります。役務の中でも、清掃、印刷、クリーニングといった分野は障害者が取り組みやすく、また初期投資も少なく済んだり、一年を通して発注されるもの、あるいはまとまった金額が発注されるものなどが期待されることから、こういった分野はそういったことが期待されることから、工賃向上を図る上で有望かつ有効な分野であると考えております。  次に、全庁挙げての取り組みと各市町村、民間企業に対する県の情報発信についてでございます。障害者優先調達推進法の実効性を高めていくために、御提案にもありましたが、全庁的な組織として、障害者優先調達推進本部を設置することといたしております。また、市町村との連絡会議も設置いたしまして、市町村の障害者優先調達推進法への取り組みを支援してまいります。また、ポータルサイトを活用した情報発信、障害者施設と民間企業との商談会の開催、これらを通じまして民間企業に対し、積極的に関連情報の発信をしてまいります。