
●調査目的
福岡県民の、東日本大震災・原子力発電問題・防災等の意識・行動を探り今後の県政施策の資料とする。
●調査方法
Webによるアンケート調査
モニター登録者にeメールにて調査の案内を行い、指定のURLにアクセスしてもらい回答を得た。
●調査エリア
福岡県
●調査対象者
上記エリア内に在住の20〜69歳の男女
●調査サンプル数
有効回収数 2,442サンプル
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総数 |
男性 |
女性 |
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| 人数 |
2,442 |
1,345 |
1,097 |
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男性20代 |
男性30代 |
男性40代 |
男性50代 |
男性60代 |
| 人数 |
134 |
361 |
479 |
281 |
90 |
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女性20代 |
女性30代 |
女性40代 |
女性50代 |
女性60代 |
| 人数 |
178 |
408 |
329 |
130 |
52 |
●調査実施日
2011年5月28日(土)〜30日(月)


- 東日本大震災と福島第一原発の事故に関して、県民はこれらの被害を極めて重く受け止めています。
「極めて深刻」+「深刻」+「やや深刻」のスコアは、[被災地域における地震・津波による直接的な経済被害]では94.4%。[被災地域への影響]では、6項目全てで95%を超えています。また、「極めて深刻」のみでも、全てで半数を超え、内4項目では70%を超えています。
- 一般的に我が国で世論調査を行った場合、「極めて〜」や「非常に〜」等の回答はあまり出ない傾向があります。また、(1)「極めて深刻」(2)「深刻」(3)「やや深刻」という形で回答を求めた場合は、(3)>(2)>(1)となることが多いのですが、当調査ではそれが逆転し、特に、[被災地域への影響]では回答の大部分が「極めて深刻」で占められています。
- 今回の調査では、[被災地域][全国][福岡県]の3地域に別けて、東日本大震災の影響についてほぼ同じ内容の質問を行っています。
その結果、3地域各6項目の「極めて深刻」の平均値は、[被災地域]約70%、[全国]約20%、[福岡県]約10%でした。
また、6項目中最もスコアが高かったのは3地域共に「経済成長などへの悪影響」で福岡県への経済成長の悪影響も77.1%の県民が深刻であると受け止めていることがわかります。
【被災地域における地震・津波による直接的な経済被害】

【被災地域への影響】

【全国への影響】

【福岡県への影響】



- 東日本大震災と福島第一原発事故への各機関の対応について、県民に評価を求めました。
結果は機関によってはっきりとした差が出ています。1番評価が高いのが「自衛隊・消防・警察」で、7割前後の人が評価しています。逆に「政府」への評価はとても厳しく、評価している人は1割程度しかいません。自衛隊は国の機関であり、また、消防や警察も全国から政府の指示や要請で出動したわけなのですが、「自衛隊・消防・警察」と「政府」は全く逆の評価になっています。このことを、数字ではなく平均的な県民の言葉に直すと、「政府は頼りない。しかし、その頼りない政府のもとで、現場の自衛官・消防士・警察官の人たちは全力を尽くしていた。立派だった!」ということだと思います。
- 東日本大震災について、海外のメディアが被災者の振る舞いを絶賛したことはご存知だと思います。今回の調査では調べていませんが、もし調査項目に「被災者の行動」への評価を入れていたら、恐らく最も高い評価が出ていたと思います。今回の調査でも「被災地の自治体」に対しては評価が高く、6割前後の人が評価しています。また、福岡県の各自治体の支援行動についても4割から5割と比較的に良い評価となっています。
- これらをまとめると県民が評価している順番は、(1)(恐らく)被災者 (2)現場で働いた人たち(恐らく、自衛官・消防士・警察官以外の、支援に駆けつけた公務員・企業の人・ボランティアなど) (3)被災地の自治体 (4)支援した他の自治体 などで、ここまでの人たちへの県民の気持ちは「立派だった、よくやった、がんばってくれ」というものだと思います。翻って、「政府」と「東京電力」に対しては、「失望した。全く信頼できない。」という厳しいものであるようです。
■政府

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■自衛隊・消防・警察

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■被災地の自治体

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■東京電力

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■政府への評価

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■各自治体の東日本大震災への支援について

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- では、東日本大震災に伴って、県民はどのような行動をとり、どのように考えるようになったのでしょうか。
行動としては「募金や義援金などにお金を出した」が80.9%で際立って高くなっています。
意識や行動の変化は様々ですが、唯一半数を超えたのが「節電を心がけるようになった」で53.0%です。首都圏などで防災用品の買いだめが社会問題化しましたが、福岡県では買いだめをした人は10.5%と約1割しかいませんでした。
【東日本大震災に関して行ったこと】

【東日本大震災をきっかけに自身の考えや行動が変わったこと】



- 福岡県の防災について聞いたところ、「大規模地震発生の可能性」を「何時起きても不思議はない」と捉えている人は30.7%、「将来的には可能性はある」は50.1%で、合せて80.8%の県民が地震発生を危惧しています。津波は「何時起きても不思議はない」は9.3%と、地震の3分の1にも満たないのですが、「場合によっては」は53.2%で、合せると62.5%と地震よりは低いものの半数以上が危惧を抱いています。
- 大規模な地震・津波発生の際に不安に感じることは、想像できる被害が多く挙げられており、県民が東日本大震災の被災状況から、大規模災害での広範な被害に不安感を抱いていることが解ります。
- 大規模災害発生の際の救援や支援についての各行政機関への信頼感を聞いたところ、最も「信頼感」(「信頼している」+「どちらかと言えば信頼している」:以下同様)が高いのが「自衛隊・消防・警察」で70.3%、次いで「福岡県」44.9%、「居住している市町村」(43.6%)となっています。この項目でも「政府」は12.7%と信頼感が際立って低くなっています。
■大規模な地震の起きる可能性

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■大規模地震が起きた場合の津波発生の可能性

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【大規模な地震や津波が発生した場合に不安だと感じる事柄】

【大規模地震や津波発生の場合の救援や支援についての信頼感】

- 今後最も力を入れて欲しい防災対策は、「地震・津波」が40.7%、「風水害」が31.5%、「原発」が27.8%で、ほぼ3分されています。東日本大震災以来、地震・津波・原発が大きくクローズアップされているにも拘らず、「風水害」を3割の人が挙げていることは、過去大きな風水害を体験している県民の生活実感に根ざした冷静な意識の現われだと思われます。
- 福岡県に今後力を入れて欲しい地震・津波対策やその他の防災対策は、下図の通り多岐に渡って挙げられていますが、最も高いのは「素早い情報提供」の75.1%で、50%以上の9項目に注目すると、うち6項目が情報や対策などのソフト面で、3項目が土木的なハード面です。このことからは、県民が東日本大震災と福島第一原発の教訓から、ハードウエアの整備は行いつつ、それを生かすための情報や体制・対策の重要性を深く認識していることが汲み取れます。
【今後最も力を入れて欲しい防災対策】

【福岡県に今後力を入れて欲しい地震・津波対策やその他の防災対策】



- 玄海原子力発電所のその所在地も含めての認知は84.8%で、ほとんどの県民が玄海原子力発電所のことを知っています。
それに対して「不安を感じる」人は20.1%、「やや不安に思う」は32.7%で半数以上が不安感を抱いています。
その、玄海原子力発電所での事故発生時の各機関への「信頼感」(「信頼している」+「どちらかと言えば信頼している」)は、福岡県29.2%、佐賀県28.3%、九州電力28.0%、政府10.6%となっています。
- 今後の原子力発電のあり方については、「少しずつ減らしてゆくべき」が49.3%で半数近くを占め、次いで「出来るだけ早くに全廃」が19.4%であり、合せて68.7%となり、少なくとも原発は減らしてゆくことが現時点での県民の多数意見であることがわかります。
「現状維持」は16.5%、「増やしても良い」は5.8%となっています。ただし、この「増やしても良い」も「安全性が保障されるならば」という条件付の回答となっています。
■九州電力の玄海原子力発電所の場所認知

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■佐賀県東松浦郡玄海町に原子力発電所があることへの不安

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■玄海原子力発電所の防災体制・設備や、事故発生時の各機関への信頼感

■今後の原発のあり方

