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| 公明党福岡県議団 >>議会質問集 >>一般質問&答弁(2004年2月) >>上岡孝生(一般質問) |
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004.03.08 : 平成16年2月定例会(第13日)
上岡 孝夫一般質問
公明党の上岡孝生でございます。今回は、武道教育及び文化交流について相撲を通して質問をいたしますので、知事、教育長におかれましては、前向きかつ真摯な御答弁を期待し、一般質問に入ります。
相撲は我が国の文化遺産とまで称される伝統のある競技ですが、今では広く海外にも普及し、国際スポーツの一つとして愛好されており、国際相撲連盟加盟国も八十六カ国を数えるまでになっています。北米、南米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの五地域でそれぞれ大陸相撲選手権大会が開催されており、また毎年世界相撲選手権大会及び女子世界新相撲選手権大会が世界各地で開催されております。
その相撲の美を演出する土俵はすばらしい舞台装置であります。土俵上はコンクリートの持つかたさとは違うけれども、それなりに堅固に仕上げられています。土俵の斜面は競技者が落ちるときに無理が生じぬ角度にして、高さも身長等を考慮しています。土俵上に砂を入れるのは、競技の際、すり足等、足を運ぶときにころの役目をします。砂の種類にもよりますが、砂をふるいにかけ選別することにより競技者のすり傷が少なくなり、水をまくことで砂が風で吹き飛ばされるのを防ぎます。土俵のできぐあいが相撲のすべてを左右すると言っても過言ではありません。それだけに土俵づくりは至難の技です。土俵の形、広さや高さ、行司や呼び出しの装束とともに声にも美があります。横綱や幕内力士の土俵入り、弓取りにも単純な所作の中にも見事なまでの立ち居振る舞いがあり、それが土俵と調和し、見る者に美しい憧憬を抱かせてくれ、また呼び出しの動作やその美声、勝ち名乗りを受けるときの所作にもそれぞれの美があります。しかし、欧米から入ってきたスポーツでは、高々とトロフィーを上げて勝利を誇り自慢するが、相撲の勝者にはほとんど見られません。敗者へのいたわりであり、心配りでもあり、謙遜の意をあらわす一つの美徳です。戦後何かにつけ欧米の風潮が流入した中で、土俵は厳然として日本文化の一端を堅持しています。土俵上の相撲に美がある、短時間に多種多様の技が繰り出され、そこに気迫があらわれ、しかも飽きがこない、多くの人が年老いてなお相撲を楽しむゆえんであります。土俵は美をつくる舞台であり、しかも安全性を保っています。相撲独特の美は土俵によって演出されています。
先月の二月十四日、十五日、十八日と大相撲が戦後初めて韓国のソウル、釜山で公演されました。その大相撲ソウル公演に私も参加させていただきましたが、東西の花道より全力士が紋付はかまで入場し、開会式にて森前総理があいさつの中で、この紋付はかまは日本人の最高の正装であります、と言われたのが印象的でした。この大相撲ソウル公演は、昭和十八年六月の朝鮮、満州巡業以来六十一年ぶりとなる大相撲公演でありました。この三日間の公演でおよそ三万人の観客が日本の国技に触れ、日本相撲協会の北の湖理事長は、日本の伝統文化である相撲が韓国人の反日感情を刺激することを危惧していたが、理解してくれたと思う、と安堵の表情であったようです。何しろ、相撲は韓国で日本古来の伝統の象徴と見られ、戦後、反日感情が高まる中で、大相撲の興業をしようなどとは考えにくい時代が長く続いてきました。日本の衛星放送が韓国でも映るようになった一九九〇年ごろには、相撲中継がやり玉に上げられ、文化侵略論が高まり、シルムと言われる韓国相撲があるのに、子供たちが日本の相撲のまねをするようになった、親日的な人間になってしまう、と言われていたが、今回のソウルでの公演はシルムの殿堂と言われる奨忠体育館で行われ、歓迎会で横綱の朝青龍がシルム協会の代表と記念品を交換し、土俵上では力士が韓国の子供たちにけいこをつけていました。金大中政権が日本文化の開放を進めてから、若者を中心にお互いの映画や音楽を楽しむようになり、一昨年にはサッカーのワールドカップを共催、両政府が進める共同未来プロジェクトの一つとして相撲公演ができたのも自然な流れであったと思います。会場を訪れた人は、シルムと比べながら相撲のおもしろさに驚いたり、逆にシルムの魅力を再発見したりして楽しんだようです。次はシルムを日本に呼んで交流してはどうでしょうか。世界に相撲に似た格闘技があるのなら、それを招いてはどうでしょうか。韓国のメディアが、ジャパンドリームと表現している夢を抱いて来日する若者が後を絶たない今、互いに大きく胸を開いてこそ文化の交流は本物になると思います。
そこで、知事にお尋ねをしますが、相撲のように日本固有のスポーツの輸出が日本文化の普及には重要なことだと思いますが、現在本県として外国への普及状況及び国際化に向けての考えをお聞かせください。
次に、武道教育についてお尋ねをします。今の教育を何とかしなくてはならない、多くの人がそう考えているのではないでしょうか。勉強する意欲のない子供たちがふえ、また基本的なマナーが守れない、あいさつができない、少年の凶悪事件が目立つし、不登校も一向に解決しない。そして、卒業しても就職しない若者、離職して親元で暮らしている若者へとつながっていきます。こうした若者がふえている背景に、物が豊富な社会の影響があるのではないでしょうか。自分が生きる上で必要なものは周りに全部そろっているのが現状で、かつて物がなかった時代は子供たちに、大きくなったら働いて何々を買おうという意欲がありました。しかし、生まれながらにして物に満たされていれば、生きるために働く意欲が生まれてきません。あとは自己実現のために働けるかどうか。したがって、そうした仕事が見つかるまで親元でいつまでも暮らす結果になってしまいます。人間の心というのは、困難に立ち向かい、我慢を続け、切磋琢磨する中でしか強くならないことを忘れてはならないと思います。逆境に育ったあの吉川英治は、その人生途上において多くの人たちに会い、「我以外皆我師」を座右の銘とし、ひたすらペン一筋におのれの人間的完成を心がけ、その生涯を求道精神で貫き、このような道一筋に生きる道の思想は日本人好みのもので、「宮本武蔵」がこれまで大勢の人に愛読されてきたゆえんでしょう。個としてみずからを律し、自立、自助の道を歩まねばならない武蔵的生き方が見直される、いわゆるナンバーワンよりオンリーワンではないでしょうか。教育は人づくりと言われています。自己の夢や希望の実現に向かって努力できる人間として成長していくためにも、また社会に貢献できる人材育成を目指し、相撲道、柔道、剣道等を通じて勇気と信念、そして健全な人格をはぐくむ武道──知事も柔道を通していろいろなこと学んでこられたと思いますが、それを今の子供たちに伝えていくこと、武道教育を進めていくこと、これは時代が求めるニーズであると思いますが、知事の体験を通しての所見をお伺いいたします。
最後の質問になりますが、九州は相撲とのつながりが大変に深い地域であります。相撲ファンの中でも力士へ格別な援助を惜しまない後援会のことをタニマチと言っています。これは明治末期に、大阪の谷町にいた相撲好きの外科医が力士の治療代を無料にしていたことに由来します。その外科医とは、一八六六年、福岡県糟屋郡席内村──現在の古賀市筵内に生まれ、名は薄恕一、彼は箱崎中学校を卒業後、医師を志して大阪で苦学、一八八九年に大阪市中央区谷町に薄医院を開業、大変な相撲好きで力士を無料で治療したり小遣いを与えたりしたことが自然と知られるようになって、病院の所在地名の谷町が後援者の意味に転化したと言われています。また、熊本の吉田家は相撲の家元とされる家柄で、江戸時代中期から力士、行司に免許を与えてきた由緒ある歴史も残されていますし、横綱の土俵入りの型には雲竜型と不知火型がありますが、雲竜型は山門郡大和町出身の第十代横綱雲竜久吉にちなむものとされており、また不知火型は山田市出身の不知火光五郎と言われております。近代相撲では、何といっても大分県宇佐市出身の第三十五代横綱の双葉山定次、不滅の六十九連勝は相撲史にさん然と輝く金字塔であります。九州出身の力士としては、谷風の再来とうたわれた久留米市出身の横綱、二代目小野川才助や朝倉郡杷木町出身で五十八連勝、勝率九割五分で歴代横綱の中で最高の成績の第十五代横綱梅ケ谷藤太郎、大相撲だけではなく九州にはさまざまな相撲があります。鹿児島県大崎町と佐賀県太良町では、カブトムシ相撲大会、また佐世保市のコマリンピック、別名けんかごま、飯塚市のこま相撲大会、長崎県平戸市の子泣き相撲、熊本県芦北町には赤ちゃん土俵入りもあります。おもしろいのは、福岡県二丈町の目かくし相撲で、力士は全員女性で七福神の頭巾で顔を覆って登場、この目かくし相撲の起こりは、先の見えない世渡りの難しさを例えたものと言われています。このように生活の中まで入ってきていた相撲を復活させて日本の伝統文化を子供たちに触れさせていきたい、相撲こそ子供同士、教師、生徒間のスキンシップにはもってこいのスポーツであります。大分県宇佐市は相撲の町と言われ、十七の小学校、五つの中学校すべてに土俵があるのは九州ではここだけと言っていました。私は、小中学校に相撲場を復活させて子供たちの遊びに相撲を取り戻したいと願っている一人であります。
そこで伺いますが、現在、本県の小中学校に土俵があるのは何校でしょうか。また、アマチュア相撲の現況は極めて厳しいものがあります。その要因は、小中高における指導者の大幅な不足にあると思いますが、常設土俵の活用状況とあわせて、教育長の考えをお聞かせください。超党派の国会議員百七名による大相撲愛好議員連盟が昨年の七月二十二日に設立されました。その中で、相撲を国技として法的に認知し、学校教育での相撲普及に向け助成する案も議連内で浮上していると聞き、本県がその先駆けになるような答弁を期待し、一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
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