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公明党福岡県議団 >>議会質問集 >>一般質問&答弁(2003年6月) >>高橋雅成
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高橋雅成 一般質問
一回目
地域通貨について質問します。
「忙しい人の代わりに買い物をします」「お年寄りの話し相手をします」など、市場経済では値段の付けにくいモノやサービスを交換し、住民の交流やボランティア活動を活発化させるシステムとして地域通貨が注目を集めています。世界の先進諸国で自然発生的に広がっており、日本でも各地に六百ほどの地域通貨が生まれているという情報があります。有名なものでは、滋賀県草津市を中心に発行されている「おうみ」、山梨県北巨摩郡の「八ヶ岳大福帳」、千葉県の「ピーナッツ」などがあります。ほとんどの場合、NPO法人など民間が主催していますが、なかには北海道栗山町の「クリン」や神奈川県大和市の「LOVES」のように自治体が主導している例もあるようです。
地域通貨が流通する地域の規模は全国規模のものから町内会規模のものまでさまざま、利用している人数も数十万人から数十人までと多彩です。九州にも大分県湯布院町の「YUFU」などが有名ですし、県内では博多区の「よかよか」、大牟田市の「コール」が、ともに一昨年、誕生しております。

この地域通貨導入の目的は、おおきく分けて二つあり、経済的効果を期待するものとコミュニティーの活性化を期待するものです。発行される通貨は、利子が付かず、貯めても意味がないために、どんどん使っていこうということになり、地域の中で活発に交換されて動いていくことになります。仕組みはさまざまですが、まず、運営団体に、自分が「できること」と「してほしいこと」を登録します。運営団体は、登録者全員の「できること」と「してほしいこと」の一覧をインターネットなどで閲覧できるようにし、参加者同士が交渉し、「できること」と「してほしいこと」が一致すれば、地域通貨を使えるようになります。

例を挙げれば、AさんがBさんに弁当を作ってもらい、その見返りに得た地域通貨でBさんがCさんに犬の散歩を頼んだとします。Cさんは手にした地域通貨でDさんに魚のおろし方を教わり、さらにDさんがAさんにパソコンの使い方を教えてもらえば、地域通貨はもとのAさんのもとに戻ってくるといったような仕組みです。地域通貨流通の輪が広がれば広がるほど、支え合い、助け合いの人間関係が濃くなり、眠っていた特技や経験が呼び覚まされることになります。ある新聞は地域通貨を「あらゆる人に備わっている特技、経験、思いやり、体力など、地域に眠っている宝を引き出すもの、それが地域通貨だ」と紹介しておりました。さきほど例に挙げました「おうみ」には、「これはお金ではありません。コミュニティーで循環することによって、環境、伝統、文化、ボランタリー活動など、社会的に必要とされながら、市場では成り立ちにくい価値を支えている道具、ツールです。あなたのありがとうの気持ちを形にしてみてください」と書かれております。

地域住民の助け合いを引き出し、温かく住み良い社会をつくり出すとともに、地域の産業や商店の保護、発展にもつながる地域通貨に大きな注目が集まっているのも当然でありますし、福岡県内の地域通貨にもぜひ成功していただき、さらに新たな地域通貨が現れることを期待するものであります。
そこで、まず地域通貨に対する知事の認識をお尋ねします。

全国の自治体の中で地域通貨をサポートしている都道府県は、静岡県、愛媛県など少数と聞きます。静岡県では、地域コミュニティーやボランティア活動の活性化を図る契機として地域通貨を導入することを計画、平成十二年度、十三年度にパイロット事業として六地区の団体を指定し、ノウハウの指導・助言を与え、地域通貨を導入しております。このほか、同県は、講師の派遣料や講演会・研究会などの場所の利用料を負担し、研究会に直接職員を派遣し調査・研究を重ねた成果を、地域通貨に役立てる報告書としてとりまとめているほか、県の一般職員を対象に「ぱれっつ」という地域通貨を流通させる実験も行っております。

博多区の地域通貨「よかよか」を発行している奈良屋まちづくり協議会に聞いてみましたところ、地域通貨を運営していく上で現在一番、困っているのは事務局に常駐できる人材がいないこと、「できること」「やってもらいたいこと」をコーディネイトできる人がいないことと言っておりました。そして行政に手助けしてもらいたいことも、こうした人的な応援だということでした。福岡県においても、本年度当初予算に、新しく地域通貨の導入促進のための予算が計上され、事業の内容として研究会の設置(マニュアルの作成)、九州メッセの開催のふたつがあげられておりますが、今後、静岡県のように突っ込んだ支援策をとる用意があるのか。また、人的な派遣、あるいは人件費のサポートをやる意志があるのか、お尋ねします。

次に、中小企業の経営革新支援策について質問します。
1980年代、品質の低下と生産性に対する国際競争力の低下から、滅び行かんとしていたアメリカ経済界にあって、レーガン大統領はマサチューセッツ工科大学(MIT)など三十八人の有力者からなる「大統領産業競争力委員会」を設置。日本との徹底比較を通して米国産業の病根を調査研究し、アメリカは「新しい経営システムの変換」にチャレンジすることを国家戦略としました。その後、奇跡の復活と呼ばれた米国産業の変換をもたらした施策は、@規制緩和A減税B金融安定化策C企業の経営革新の四つといわれております。このうち、四番目の経営革新の中身に、全米の中から優れた企業を厳正に選考し、メーカー、サービス関連、中小企業の三部門にわけて大統領自らが表彰する国家制度があります。時の商務長官の名前を冠した「マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)」と呼ばれるものです。その後、このMB賞を受賞した企業を中心に、アメリカは自信を取り戻し、奇跡の復活を成し遂げたのです。

今日、長期化する経済の低迷の中、日本でも政府が規制緩和、減税、金融安定化策など講じておりますが、残念ながら、企業経営者のマインドを刺激し、自信を取り戻させる経営革新賞のようなものは実施されておりません。本県においても、不況の波をダイレクトに蒙る中小企業に対し、さまざまな支援策がうたれておりますが、経営者をもっと前向きに元気にさせる制度も必要かと思います。

そこで提案ですが、県内の中小企業を対象にし、経営革新などの中身を評価・顕彰する「福岡県知事賞」を設置し、中小企業経営者に、「やればできる」という前向きな姿勢を積極的に引き出す施策を展開してはどうでしょうか。これについての答弁は特に求めませんが、以上の提案をいたしますので、今後、十分、検討をしていただくよう要望いたします。

最後に、私立高等学校の授業料軽減補助制度について質問します。
現在、福岡県は、県内の私立高校に在籍する生徒の世帯が、生活困窮と認められ、私立高校を設立する学校法人がその授業料の一部を軽減する場合、一定の額を学校に補助する私立高校授業料軽減補助金制度を設けています。補助額は、交通遺児等の場合が授業料の二分の一、生活保護世帯等の場合が県立高校の授業料相当額となっております。補助金は学校を通じて各家庭が支払う授業料の減額につながっており、母子家庭などの生活困窮世帯にとって、大変、ありがたい制度となっています。

ところが、現行の制度では、各家庭が三月、四月に軽減補助を申し込んでも、審査や対象生徒の確定、県の決定などに時間がかかり、学校によって弱冠の違いはあるようですが、四月から十一月までの八カ月間は各家庭が通常の授業料を支払っております。十二月になって初めて八カ月分の補助金を受け取り、毎月支払う授業料が制度の通り軽減されるのは十二月から三月までの四カ月だけとなっております。そして、次の学年に進んでも同じことが繰り返されております。

もともと、毎月の家計が苦しいからこその制度のはずです。同じように交通遺児や生活保護世帯を対象に行われている県立高校の授業料減免制度では、申し込みから一、二カ月後には減免ができるとのことです。同じような制度であるにもかかわらず、なぜ、私立高校の軽減補助の場合は、これほど期間が必要なのか素朴な疑問を感じざるを得ません。
そこで、お尋ねします。私立高校の授業料軽減補助制度において、補助金が学校に下りるまで、これほどの期間が必要なのはなぜですか。各家庭の月々の負担を考え、軽減補助金をもっと早期に交付する努力が必要と考えます。知事の考えをお示しください。

二回目
私立高校の授業料軽減補助制度についてですが、先日、この制度を利用しようとしている、ある家庭を訪ねました。生活保護を受けている母子家庭で、今年の春、双子の娘、二人が私立高校に入学しました。入学金、制服、教科書代など、入学には二人合わせて100万円以上がかかったそうです。毎月の授業料は、旅行積立金なども合わせて二人で約9万5千円もかかります。奨学金なども得て、何とか支払っているそうです。ただ、母親は、教育費のために毎月の家賃や電気、電話代などを滞納気味だということでした。

この方は、二人の娘に高校を断念してもらおうと何度も思ったそうです。しかし、そのたびに、「義務教育を終えて初めて人生のスタートラインに着く子どもに、本人が望まないスタートラインには着かせたくない。本人が望む高校にだけは何があっても生かせてあげたい」。そう思い、歯を食いしばりながら今、二人の子どもを私立高校に行かせております。また、このお母さんは、こう訴えておりました。「私は何があっても子どもを学校に行かせる。だけど、私のような境遇で子どもを高校に行かせることができずに、子どももさびしい思いをし、親もいたたまれない気持ちで毎日を過ごしている親子がいるはずです。こんな方を出さないためにも、ぜひ、私立高校の授業料軽減補助制度の見直しをお願いしたいのです」と、こう言っておりました。

どうか、こうした声に耳を傾けて、本当に困っている人たちに喜んでもらえる制度にしていただきたい。ただ今、私学学事振興局長から「可能な限り早期の交付ができるよう努める」との答弁がありましたが、制度の抜本的な改正も含め、早急に改善することが是非、必要と考えます。麻生知事の考えをぜひ、お聞かせください。

関連して、そのほかの部局の中で、この制度と同じように、補助金を受けるべき人や法人が長期間、個人負担した上で、その後に補助金が交付されるような制度があるか、ざっと調べてもらいましたところ、ないとのことでした。今後、もし、このような制度が明らかになった場合は、県民の負担を少しでも減らすために早急に見直してもらいたいことを要望します。

<知事答弁>
(生活労働部生活文化課)
地域通貨について
問:地域通貨に対する認識と今後の支援策について

答:地域通貨につきましては、様々なボランティア・NPOの活動を促進し、コミュニティの活性化を図るものと期待しており、県としましても、導入促進に積極的に取り組んでいきたいと考えております。 このようなことから、本年度は、「地域通貨九州メッセ」の開催や地域通貨導入マニュアルの作成などにより、普及啓発に努めることとしております。 今後とも、より効果的な支援策について検討していきたいと考えております。
 
私立高校の授業料軽減補助につきましては、私学学事振興局長に答弁させます。

<局長答弁>
(私学学事振興局私学振興課)
私立高校の授業料軽減補助制度について
問:補助金の交付決定時期等について

答:授業料軽減補助につきましては、各学校における審査に際して必要な所得証明書等が発行される時期や学校からの補助申請に係る県の審査のため、交付決定までに一定の期間を要しているところであります。
今後は、各学校と連携し、可能な限り事務の改善を図るなど、早期の交付が行えるよう努めてまいりたいと考えております。

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