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2004.03.05 : 平成16年2月定例会(第10日) 本文

皆さん、こんにちは。公明党の森下博司でございます。県政の重要課題について、公明党を代表いたしまして質問いたします。なお、本日が代表質問の最後となり、多少重複する点もありますが、私どもの立場から必要な、また緊要な質問でございますので、最初に御了解を賜りまして早速質問に入りますが、知事並びに執行部の皆様、明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。

まず、知事の政治姿勢として食の安全、安心問題についてお尋ねします。牛のBSEや鳥インフルエンザが食肉の安全、安心、安定供給に不安を投げかけています。アメリカでのBSE感染によるアメリカ産牛肉の輸入停止で牛どんが専門店から消え、国内では十頭目のBSE牛が確認されました。高病原性鳥インフルエンザは、一月に山口県、二月に大分県で発生し、どちらも本県の隣接県であります。一月に山口県で発生した際の本県農政部は、即日検査に入るなどスピーディーな対応は一応の評価ができるものの、県民に食に対する不安が広がっているのは否めません。さらに追い打ちをかけた京都府丹波町の鳥インフルエンザ発生による大量死に、鳥インフルエンザの全国的な広がりへの衝撃が走りました。
 まず、生産者側から本県において、はかた地どりなどの県産品づくりに努力を重ねている養鶏農家の声として、鳥インフルエンザの蔓延しつつある現在、もし万一発生した際の行政の支援はどのようにお考えかお聞かせください。
 さて、日本の食糧自給率は今や四〇%と言われ、最近のアメリカ牛BSE、アジア各地に広がる鳥インフルエンザの発生は、輸入に頼る我が国の食の危うさを露呈しております。その一方で、消費者アンケートをすると、大半の人が国内産が食べたいと答えているようです。価格や味、安全性で消費者を引きつけることで、国内産の需要を伸ばすことが必要ではないでしょうか。
 そこで、国は牛肉に関しては、履歴管理などを義務づけた牛肉トレーサビリティー法が本年十二月に施行されます。BSE問題を機に、牛肉の安全性に対する消費者の関心が高まったことを背景に制定された。これは、いつどこで生産され、どう流通したかという牛肉に関する履歴の管理、伝達が、生産者や流通業者に義務づけられる。具体的には、国内で生産、飼育されるすべての牛に十けたの個体識別番号をつけ、履歴の確認を可能にする。適用範囲は当面、生産、卸売段階に限定されるが、二〇〇四年末からは消費者が小売店で買った肉などでも、インターネット上で生産情報などを入手できるようになります。生産者には、出生や出荷時に届け出ることや、識別番号を記した耳標を牛に装着することを求めています。処理業者、卸売業者には、牛肉の引き渡し時に同番号を明示することを義務化しました。違反者には罰金が科せられます。我が公明党はBSE問題にいち早く対応し、二〇〇一年十月に牛肉の安全確保を政府に要請するなど、牛肉トレーサビリティー法の制定を主導しました。我が党としては、国産農水産物の可能な限りのトレーサビリティー制の導入を訴えているところであります。そこで、本県における食の安全に対する県知事の見解をお聞きいたします。
 まず、輸入肉の安全性が問われている現在、今こそ国産、とりわけ県産肉の消費が期待されております。県知事がCM出演されている県産米の夢つくし推奨ぐらいの意気込みで安全、安心な肉を初め、本県の農水産物の安全、安心の広報啓発を図るべきだと考えますが、所見をお聞かせください。

 次に、本県には福岡県農業・農村振興条例があります。この条例の趣旨は、一元的に農業の振興のためではなく、消費者である県民への安全、安心な食の提供と食の重要性の啓発を促す大変に意義のある条例です。その中の第五条には、「県民は、食生活の重要性を認識し、特に成長過程にある子供の食生活が健全で豊かなものになるよう心がけるとともに、農業及び農村の役割及び意義に対する理解を深め、県産農産物の消費及び利用を進めること等により農業及び農村の振興に協力するよう努めるものとする。」とありますが、最近の不安な食材事情の中で、特に成長過程にある子供の食生活を健全で豊かなものにするために、どのような措置を講じているかお聞かせください。
 この項の最後に、教育長にお尋ねします。学校給食における安全、安心な給食の提供はできていますか。学校給食の地産地消の取り組みの実態も含めてお答えください。

 次に、市町村合併についてお尋ねします。合併特例法の期限があと一年と期限切れが迫ってくる中で、本県においても、関係する自治体では合併に関する議論が以前にも増して活発になってきています。現在、法定協議会が設定されているのが十五地域十一市三十七町五村、任意協議会が二地域六町、研究会が一地域一市二町、合計すると十八地域六十二市町村が合併に向けて話し合いが進められており、県内九十六市町村のうち、約三分の二が関係していることになります。新しい自治体の名称や庁舎の位置をめぐる調整が難航するなど進捗状況はさまざまであり、この十八地域がすんなりと合併に至るかどうかは不透明な部分が残りますが、知事はどのような見通しをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。
 さて、総務省は合併特例法期限切れ後も、さらに合併を進めるために合併推進法案、合併特例法改正案、地方自治法改正案の三本を今の国会に提出する方針であります。特例法の期限後の合併推進策を定める市町村合併推進法案は、二〇〇九年度までの時限立法となっていますが、都道府県知事は合併構想を策定し、合併自体の勧告はできませんけれども、協議会設置の勧告や協議が整わない場合のあっせん、調停をすることになります。一方、国の財政支援については、特例法期限後は合併した市町村が発行できる合併特例債は廃止しますが、地方交付税の優遇措置、議員任期や地方税の税率などの特例措置は継続、地方交付税は人口の少ない市町村ほど手厚く配分されるため、合併して人口がふえた自治体への交付額は旧市町村の合計より減り、それが合併を妨げるおそれがあるため、現行法では合併後十年は旧市町村を基準に算定して交付し、その後の五年で段階的に減らして通常の算定に戻すことになっていますが、新法でもこれを基本的に継続するとともに、合併が早いほど優遇措置が長く続くよう考えられており、一定期間、旧市町村が存続した場合の合算額を下回らない額を交付、その後五年間で段階的に減らすこととしています。
 一方、現行の市町村合併特例法改正案では、二〇〇四年度末までに合併ができなかった場合でも、年度中に合併申請を行い、次年度つまり二〇〇五年度末までに合併すれば、国による財政支援措置を延長して適用されることになります。このような総務省の合併推進策について、知事の考えをお聞かせください。
 また、合併推進法案で新たに提案されている合併構想策定については、地域の将来像、県の将来像とも密接にかかわってくる極めて大事なことであり、知事はどのように取り組む考えなのかお尋ねいたします。

 次に、新北九州空港について伺います。昭和四十六年に北九州空港の代替空港として国へ設置の陳情を行い、苦節二十四年後の平成六年に日本で初めて港湾、空港合体事業の新北九州空港が建設開始となりました。その待望の新空港が、いよいよ明年十月に開港されます。平成六年当時の新聞には「二十四年目の浮上 鉄の都から物流の都を目指し」とか、「悲願二十四年 着工に感無量 平成十七年の開港へ」と報じ、北九州市民にとって、最大のビッグニュースとなりました。しかし、現在の北九州地域の経済状況は依然厳しい状況ではありますが、新空港は関西空港に続き本格的海上空港となり、騒音の心配もなく二十四時間利用も可能、また北九州には観光、産業、物産など多くの魅力ある財産も有しており、日本有数の港湾である関門港、そして響灘大水深港、それに東九州自動車道が整備されると、新空港は国内はもとより海外との人、物の交流を飛躍的に増大させます。まさしく新北九州空港は、陸、海、空の複合国際物流拠点都市化への起爆剤になっていくことは間違いありません。経済の低迷傾向が続く北九州、筑豊地域を浮上させるには、新空港を生かすことが最大のポイントであると思います。そこで知事に伺います。
 このたび、新北九州空港を拠点にした新規の航空会社スターフライヤーが就航準備のため、本社を東京から北九州市に移転しました。現在、多くの地元有力者もこの新会社に、福岡空港までの時間消費がなくなり、出張に便利と歓迎し、出資する意向を示しています。知事も御存じのように、新規航空会社には、羽田空港の発着枠が優先的に割り振りされますので、何としても新会社の乗り入れを実現せねばなりません。そうなれば、福岡県なかんずく北九州地域にとって大きな弾みとなります。福岡県もこの新会社に出資も含め、便利で魅力ある新空港づくりのための十六年度エアポートセールス案をお聞かせください。

 次に、国が進める国庫補助負担金の縮減、廃止と地方交付税の抑制、国から地方への税源移譲の三つから成るいわゆる三位一体改革と本県の財政問題について質問します。三位一体改革に対して、県行政として何を目指し、何が論議されるべきでしょうか。今、日本の社会に最も求められているのは、社会保障や教育、環境、人権などといった社会サービス分野の充実であります。こうした福祉や環境分野は対人サービスであり、地域固有の課題でもあることから、より住民に近い市町村が主体になるべき分野であります。その意味で、地方分権と財政構造改革を目指す三位一体改革は、社会サービス分野の充実を実現させる社会装置、すなわち市町村の財政を変革するものでなければならないと考えます。三位一体改革の現実の姿はともかくとして、国、県、市町村一体となった財政構造改革の姿はそのようなものであるべきであるし、県の三位一体改革に対する姿勢もまた、市町村、住民、県民を最重視して臨むべきであると考えます。その意味でも、知事には国に対し地方の声をさらに届けてほしいと望みますが、まず、知事の三位一体改革に対する基本的な姿勢を伺います。
 さて、県の平成十六年度当初予算案は、地方交付税及び臨時財政対策債が大幅に削減され、三年連続のマイナス予算となりました。景気がようやく持ち直し、県税収入が増加しているにもかかわらず、三位一体改革が本県財政を圧迫する形となっております。そうした中、財政構造改革プランに基づく改革措置、また追加改革措置による歳出の抑制に取り組むとともに、二十一世紀の新しい県づくりに向け、緊要な事業を重点的に推進する予算となったことは理解するところであります。また、この予算案編成に当たり麻生知事が記者会見の席上、苦心惨たんと表現したことについても、うなずけるものがあります。
 そこで数点にわたり質問します。
 一点目は、財源不足への対応として、九十億円の財政健全化債の発行、五十七億円の地域再生事業債の発行などで平成十六年度末の県債残高が過去最高の二兆三千八百億円を上回る見込みとなっています。これは、予算規模の一・五倍、県民一人当たり四十七万五千円もの借金を抱える計算となります。知事は、こうした県財政の現状をどう認識しておられるかお伺いいたします。
 さらに、今後の三位一体改革の進展いかんによっては、平成十七年度以降の県予算が、新年度以上に厳しい財政状況に陥る可能性もありますが、どのように乗り切ろうとするのか、考えをお聞かせください。
 また、県が平成十四年二月に発表した財政構造改革プランでは、平成十八年度に財源不足を解消するとしておりますが、同プランの中期的収支見通しで示した財源不足額と大きくかけ離れる現状にあって、同プランは事実上破綻を来していると指摘せざるを得ません。見通しの修正を含め、財政構造改革プランの抜本的な見直しが必要と思われますが、いかがでしょうか。
 また、本来の三位一体改革の趣旨からも、今後さらなる県行政のスリム化が必要となってきます。そこで、本県がこれまでに取り組まれた行政合理化、むだ排除の実績についてその内容をお示しください。さらに、行政改革のなお一層の推進を図りながら住民サービスの低下を防いでいくためには、事務事業の見直しや組織、機構の簡素、効率化、外郭団体の統廃合、NPOの活用など行財政運営全般にわたる抜本的な改革を進めるべきだと考えます。知事は、こうした点に今後いかに取り組まれるつもりなのか伺います。
 これに関して、職員の給与費の抑制、職員定数の削減については、本県がぎりぎりのところまで切り詰めている実態はわかります。しかし、職員の活性化や新しい人材の確保のためには、年功序列型を基本とした、そもそもの職員給与のあり方自体を見直す時期に来ていると考えます。知事の見解を求めます。
 最後に、歳入面の改善として、税収増を図る必要があります。政府の平成十六年度地方税制の改正の中で、課税自主権の拡大が図られ、固定資産税の制限税率の廃止と税率変更の要件緩和措置がとられるようですが、今後こうした手段をとる考えはあるか、またそのほかの方法で税収増を考えておられるかお伺いいたします。

 次に、電子県庁の構築について伺います。私ども公明党県議団は、この一月に大阪府庁を訪ね、同府庁の電子化について勉強しましたが、旧通産省出身の太田房江知事が陣頭指揮で進めているIT化だけに、さすがだと感じるところが多々ありました。特に、人事給与、財務会計、物品調達などの基幹システムを再構築して統合化、あわせてコールセンターを設けて職員の問い合わせ等に応じるという総務サービスセンターの構築は、電子化の柱でもある事務の省力化や高度化を進める上で大きな力を発揮するものと期待されています。また、知事部局から府議会議員全員にパソコンを貸与し、議会のIT化に寄与していることも感心しましたし、太田知事が金大中元大統領に直訴して誘致したという韓国ソフトウエア振興院の出先機関であるiPARKおおさかも、韓国のすぐれたIT技術や産業を日本に導入するという点で興味をそそりました。
 ところで、本県も十三年度から本年度を目標に電子県庁を構築するためのさまざまな取り組みを進めています。情報通信の基盤整備はもちろんのこと、電子申請システム、電子調達システムなどの県民向けサービスの向上、事務の効率化、高度化を目指す文書管理システムの開発や財務会計及び人事給与システムの再開発、さらには電子県庁を担う職員の育成などでありますが、計画ではこのうちの県民向けサービスの向上や事務の省力化、高度化を図る各システムのほとんどがこの十六年度における構築を目指しています。
 そこで、何点か知事に伺います。
 まずは、本県の電子県庁づくりは順調に進んでいるのか、その進渉状況について伺います。
 また、さきにも触れましたように、大阪府の電子化の目玉は、総務サービスセンターの構築であります。本県でも、再開発されるであろう人事給与システムや財務会計システムと、庶務事務の総合システムとを統合して事務の省力化、高度化を図る事務処理センターの構築が計画されています。このセンターの内容について説明を求めるとともに、いつから稼働するのか、また費用対効果はいかがなものかお答えください。ちなみに、大阪府の場合は総務サービスセンターの構築で、知事部局の百五十人を初め、計三百五十人が削減されると聞いています。
 二点目に、電子申請システムの導入が試行を経てこの四月から本格実施されます。二十四時間いつでもアクセスできるというこのシステムの実現は県民サービスの向上に大きくつながるものと期待されていますが、問題は県民への啓発であります。パソコンの普及促進を初め、システム利用をどのように進めていくのか伺います。
 三点目に、職員の意識改革とスキルアップについてであります。どんなに立派なシステムを立ち上げても、それを管理、運用する職員の意識が変わり、技術がレベルアップしなければ期待されるような効果は生みません。職員の育成をどのように図っていくのか、具体的にお答えください。
 また、麻生知事自身のパソコンの使用ぐあいはいかがでしょうか。パソコンを駆使する知事の姿は、県民に対してもIT化推進の強いメッセージになることもつけ加えておきます。
 最後に、IT化の目標の一つにペーパーレス化が挙げられますが、IT化の進展の割には進んでいないように思われます。目標を掲げて促進すべきと考えますがお答えください。

 次に、保健福祉問題について伺います。
 最初に、児童虐待防止に関し質問いたします。大阪府岸和田市で中学三年生が餓死寸前発見されるなど、虐待に対する痛ましい事件が毎日後を絶ちません。このような中で、二〇〇〇年十一月に施行された児童虐待防止法が三年を経過し、見直しが検討されています。現行の児童虐待防止法では、虐待に気づいた教師や医師の通告義務、虐待が疑われる家庭への児童相談所からの立入調査が定められていますが、大阪府岸和田市のケースのように、親が立ち入りを拒否した場合や一時保護から帰宅後に再び虐待が行われ死に至るなど、虐待が食いとめられない現状が問題になっています。このような状況から児童虐待を防ぐ態勢強化策として、公明党は、一、虐待が児童に対する権利侵害であることを目的規定に明記し、虐待を認めない社会づくりを強化する、二、児童虐待の定義として、保護者以外の同居人による虐待やDVによる子供への心理的外傷も加える、三、地域住民など周囲の人が虐待の疑いの段階で通報できるよう促すため、通告義務の対象を拡大する、四、児童相談所による家庭への立入調査を拒否された際は、警察の関与を強めること等を提案し、さらに国と地方自治体の責務に、早期発見に加え、予防、自立支援、保護者への適切な指導と切れ目ない支援を主張しています。
 そこで質問ですが、一点目に、本県における児童虐待の相談受け付け件数、虐待の種類別、主たる虐待者別、被虐待児童の年齢階層別現状について、児童虐待防止法施行前と比較してどのように推移をしているのかお示しください。
 二点目に、児童相談所の立入調査件数はどうなっているのか、あわせて本県における児童虐待防止の取り組みについてお答えいただき、早期発見から保護者への適切な指導に至るまでの切れ目のない支援が必要であると考えますがいかがでしょうか、見解をお示しください。
 三点目に、児童相談所の人員不足や職員の精神的、肉体的ストレスが指摘をされていますが、本県の状況について、児童福祉司等の専門職の配置状況も踏まえお答えいただき、児童虐待の防止、再発の防止などの観点から各児相への専門職の増員を含め、人員配置に関し検討の必要性を感じますが、この点も御見解をお示しください。

 次に、乳がんの早期発見のため、乳がん検診への全面的なマンモグラフィー導入についてお尋ねいたします。
 我が国における乳がん検診は、一九八七年に老人保健法に組み込まれて以来、視触診のみによる検診が実施されてきました。乳がんは、乳房の中の母乳をつくる小葉組織や、母乳を乳首まで運ぶ乳管組織に発生する悪性腫瘍であります。乳がんが見つかる人は年三万人を超え、患者は、ここ十年間で急増している実態があります。特に、乳房は女性の象徴であるだけでなく、子供たちにとって大切なものであります。それを失ってしまう病気が乳がんであります。しかも、二〇〇〇年には罹患率でそれまで一位であった胃がんを追い越し、女性の悪性腫瘍のトップとなりました。結果として早期発見が難しいため、患者の三、四人に一人は死亡、その数は年間八千人以上にも上り、十年前の一・五倍と増加しているのが現実であります。近い将来、日本人女性の三十人に一人が乳がんになることが予測されており、残念なことは、乳がんの発生は二十歳過ぎから認められ、三十歳代ではさらにふえ、四十歳代後半から五十歳代前半にピークを迎えていることであります。女性は、子供や夫に気兼ねして検診を後回しにしがちですが、最も患者が多い四十歳から五十代の女性は、母親として、社会人として重要な役割を担う現役世代層であり、その世代の乳がんによる死亡者数が増加していることは、大きな社会問題ではないでしょうか。
 ところで、九〇年代に機器の導入により乳がんの治療の進んでいるイギリスやアメリカでは、ここ五年の間に乳がんの発生率が増加傾向にあるものの、死亡率はむしろ減少し始めております。欧米においては、このような好結果が生まれた理由として、次の三点の要因が大きく寄与していると言われております。一つは、治療法の向上、二つ目は、女性への乳がんに関する啓発活動の普及、そして三つ目に、乳がん検診におけるマンモグラフィーの導入による検診の質の向上が挙げられております。
 ここで特に注目すべき点は、マンモグラフィーによる乳がん検診いわゆるエックス線撮影が、乳がんの早期発見に有用であり、指で触れてもわからないような乳がんの発見率が高く、これが早期治療をもたらし乳がんの好治療成績に結びついたとも言われていることであります。マンモグラフィーにより発見された乳がんの特徴は、まだ進行していない微小のガン組織が多く、またリンパ節へ転移していないものが多いなどと、初期の段階で発見するためおのずと生存率の高い結果が期待されているところであります。日本でも二〇〇〇年に五十歳以上の女性のマンモグラフィー併用検診を導入したがん検診実施のための指針が策定されました。導入後の検診実施は、対象が五十歳以上に限られるため、本県における過去五年間の乳がん死亡率は一四、五%となっており、四十歳後半から五十歳前半に顕著に見られます。現在、乳がんの検診のあり方について、厚生労働省の乳がん検診の精度及び効率の向上に関する研究班は、視触診のみの検診は効果がなく、エックス線撮影いわゆるマンモグラフィーの導入を検討すべきであり、また乳房エックス線撮影の対象者を現在の五十歳以上から四十歳以上へ引き下げるべきだとする中間報告を行いました。また、厚生労働省は、乳がんを見落とされた女性の訴えなどをきっかけに、来年度から検診制度を見直す方向であります。つまり、効果がないとされる視触診のみの検診を廃止し、乳房エックス線撮影いわゆるマンモグラフィーを導入する方針であります。
 そこで知事にお尋ねいたします。
 まず、本県における従来の乳がん検診の実態、及び十五年度検診で対象となったマンモグラフィー検診の受診者数、受診率、実施効果等を総括し、来年度へ向けての所感をお伺いいたします。

 次に、乳がんは二〇〇〇年に胃がんを抜き、日本女性の悪性腫瘍発生率の中で第一位となっております。ごく初期の発見が可能なマンモグラフィー検診に本県も全面切りかえてはどうでしょうか、お答えください。
 最後に、乳がんの知識や検診の大切さを学ぶため、情報を公表する内容の講演会を定期的に開催することを提案いたしますが、知事の所見をお聞かせください。

 次に、介護予防について伺います。厚生労働省は、ことし一月介護保険制度本部を立ち上げ、介護保険制度の抜本的な見直し作業をスタートさせました。その中で大きな焦点となっているのが、介護予防です。二〇〇一年の国民生活基礎調査から要介護度のデータを分析したところ、二〇〇〇年に要支援者だった高齢者のうち二〇〇一年に要介護度の認定が重度化した方の割合は、何と約三四%にはね上がり、現行の要支援者に対する予防給付や軽度の要介護者への給付が必ずしも要介護度の改善につながっていないことが明らかになりました。逆に、介護予防が進めば、当然要介護状態にある高齢者出現率の抑制ができ、それによる介護給付費の軽減、保険料引き上げ幅の抑制など財政面のメリットが大いに期待できます。厚労省も二〇〇三年度からパワーリハビリを介護予防事業の一環として取り入れ、高齢者筋力向上トレーニング事業をスタートさせました。県内では、同事業を福間町にてすまいるパワーアップ支援事業として我が党の永山れい子町議会議員の提案により事業化され、現在では高齢者自身が元気を取り戻し、自立と尊厳を持って住みなれた地域で生活を継続できる喜びに浸っているそうです。要介護の原因は、脳卒中に加えて、高齢による衰弱や転倒骨折、痴呆、関節疾患者が多くおられます。そういった生活機能が低下した方に対して、リハビリモデルの確立が重要だと思います。今後は各市町村が事業化し、県民が身近に利用できるようにすることが県行政としての今後の課題と考えますが、知事の所見をお聞かせください。

 次に、ホームヘルパー養成研修について伺います。ホームヘルパーの数は、現在国のゴールドプランには、平成十六年度における介護サービス提供の見込みとしてヘルパー三十五万人を想定しています。本県の高齢者プランには、十六年度に約七千三百人の需要が見込まれ、高齢者の介護サービスの維持、向上の面から、マンパワーの獲得、活用が求められています。そこで、ホームヘルパーの資格の修得のあり方ですが、本県の実施要綱には、一級課程を受講できる者は、二級課程を修了した者で原則として一年以上訪問介護サービスに従事した者とされています。厚労省から平成十二年三月に訪問介護員に関する省令が定められ、その第一条の二には、「一級課程は、二級課程を修了した者を対象として行われるものとする。」とあり、実務経験の文言が削除されているのであります。隣の山口県は、二級の資格を修得すれば、即一級の受講ができる仕組みに改正しています。全国一律の制度であるべきこのような資格の受講条件に県によって差異を設けることは、公平性に欠け、矛盾を感じています。二級ヘルパーは、大半パートで雇用されており、一級の受講資格である一年以上の訪問介護活動が本県ではできない方が多いと聞いています。受講資格の段階で隣県と差異をつけることは、常勤雇用の道も閉ざされ、潜在的な人材の活用を妨げ、本県のホームヘルパーの供給計画にも少なからず悪影響を与えるのではないかと考えます。本県における一級ホームヘルパー研修の受講資格の見直しを提案いたしますが、知事の所見をお聞かせください。代表質問(2004年2月)続く→後半へ

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