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公明党福岡県議団 >>議会質問集 >>代表質問(2003年12月)
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03.12.10 : 平成15年12月定例会(第10日) 本文

皆さん、おはようございます。公明党の浜崎達也であります。
会派を代表いたしまして代表質問させていただきます。

質問に入る前に、去る十一月二十九日に奥克彦在英国大使館参事官と在イラク大使館の井ノ上正盛書記官がテロ攻撃を受け、とうとい命が奪われました。イラクの復興、人道支援に取り組んでいた中での惨事であり、痛恨のきわみであります。会派を代表いたしまして心から哀悼の意を表します。また、お二人のとうとい犠牲が決して無にならないよう、日本がさらなる貢献ができるよう願ってやみません。

それでは、通告に従い質問に入ります。
最初に、行政改革について質問いたします。むだを省くという観点から知事にお聞きします。
知事は、本年度当初予算編成方針でも、厳しい経済情勢を反映した県税収入の中において、地方分権の時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを確立するため、徹底した行政改革を推進するとともに、効率的で持続可能な財政への転換を図ることが急務となっていると述べています。本県では、平成十二年度から行政評価システムを導入していますが、その導入の目的は、一つは、県行政の総合性を確保する、二番目に、成果を重視する行政に転換を図っていく、三番目に、県民の行政に対する信頼性の向上を図っていくことと聞いております。しかしながら、本県においては、既に三年経過した今でもその評価が予算とリンクするまでに至っていません。それは、すべての事業に着手しないで各課の自主的な取り組みに任せてそれでよしとしているからであります。三重県では、すべての事業予算に対して、廃止する事業、休止する事業、統合事業などすべての項目を評価の対象にし、次年度の予算に反映させていることは余りにも有名であります。地方自治法第二条は、「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
この理念を具現化していくためにも、常に行財政の見直しを実施することは当然であります。

私は、行革推進の有効な手法として、サンセット方式の導入とその条例化を提案したいのであります。アメリカでは、州レベルでサンセット法が立法化されております。その理念は、行政機関、事務事業、条例や規則を一定期間でもって自動的に廃止させるというものであります。従来、廃止あるいは統合するとの決定がない限り自動的に継続してきたものを、継続すべきだ、あるいは統合するとの決定がない限り自動的に廃止するという考えに改めてはいかがでしょうか。知事に伺います。サンセット方式が導入されれば、必然的に評価を強制する仕組みとなります。重要なことは、単なる見直しの手法として用いるのではなく、明確なルールとして条例化するぐらいの覚悟が必要だと思いますが、知事はどのように考えますか、御所見をお聞かせください。

次に、市町村合併についてお尋ねします。
先月十三日、地方制度調査会は、今後の地方自治体のあり方に関する答申を決定し、首相に提出をしました。その要旨によりますと、一点目に、二〇〇五年四月以降の合併推進の手法として、現行の合併特例法の失効後は新法を制定し、一定期間さらに自主的な合併を促すこととし、その際、現行法のような財政支援をとらない方向性が示されました。新法において、都道府県が市町村合併に関する構想を策定すべきとし、生活圏を踏まえた行政区域の形成を図るための合併、指定都市等を目指す合併、小規模な市町村に係る合併等がこの構想に定められるべきであるとしています。小規模な市町村としては、地理的条件や人口密度、経済事情、現行特例法の中で合併を行った経緯も考慮する必要性を言いつつも、おおむね人口一万人未満を目安とすることが挙げられております。二点目に、市町村合併に関する多様な方策として、合併困難な市町村については、組織機構を簡素化し、窓口サービス等の一部の業務を残し、都道府県にそれ以外の事務処理を義務づける制度の導入も引き続き検討する必要があるとしております。まず、一点目の質問として、市町村合併への勧告やあっせんなど都道府県の関与が多く挙げられている今回の最終答申に対し、知事はどのように考えられているのかお答えください。

本県の場合、今後の市町村合併に至る進捗の状況は今回の答申を受けて加速されることが予想される一方で、合併特例法の期限が迫る中、行政レベルの合併研究会にとどまっている地域、あるいは行橋市などの京築一市五町の法定の合併協議会が解散されるなど、まだまだ厳しい状況下にありますが、このような中で、中間市と北九州市の特例法期限内の合併を目指す動きが加速しております。早ければ年内にも法定協議会設置に向けた交渉のスタートが切られるようですが、新聞報道によると、北九州市との合併に関し、本県が否定的な意向を中間市に伝えたことが報じられておりましたが、遠賀地域の広域行政が中間市も共同歩調をとって行われている現状があり、中間市と北九州市の合併に関して、知事の考えをお聞かせください。

次に、中小企業対策についてお尋ねします。
先日発表された県内経済の動向によりますと、県内の景気は、消費はおおむね横ばいで推移し、輸出は増加基調で生産も上昇の動きが見られるなど、全体としては緩やかな改善の動きが続いているとしながらも、勤労者世帯消費支出は三カ月連続で前年を下回り、スーパー販売額は弱い動き、百貨店販売はおおむね横ばいとなっています。十一月二十八日、総務省が発表した労働力調査によると、十月の完全失業率は前月に比べ〇・一ポイント悪化し五・二%になった。一方、厚生労働省が同日発表した有効求人倍率は前月比〇・〇四ポイント上昇し〇・七倍となり六年ぶりの高水準となり、求人はふえたが就職に結びついていない雇用のミスマッチが生じています。景気回復の動きはあるものの、いまだ確かな歩みにはなっていないということが言えるでしょう。

また、景気の動向で大事なことは、中小企業の動向であります。言うまでもなく、日本経済を支えているのは中小企業であります。本県においても、企業数の九九・七%の十七万六千社が中小企業であり、従業員数約百十八万人は、県内勤労者四人のうち三人が中小企業で働いています。このたび、元気フクオカ資金と銘打って中小企業向けの新しい融資制度をスタートさせようとしております。この新しい融資制度の特徴は、融資条件に担保、第三者保証人を不要とし、いわゆる無担保で融資が受けられることであります。本年九月議会の代表質問で、我が会派が物的担保優先や連帯保証の割合を減らした融資制度の拡大が必要であると、このような制度の創設を訴えたところでもあります。ただ残念なことには、年末の資金需要期に間に合わせるべく、もっと早期に取り組むべきであったと私は思います。せっかくの制度が、タイミングがずれることによって効果が半減してしまったのではないかと思います。であればこそ、事前のPRに力を注ぐべきであり、申請後は早期に決済手続ができるよう万全を図るべきだと思いますが、お答えください。

また、県の制度融資の利用者から困惑の声が上がっております。金融機関を通して県の制度融資を利用している、金融機関の営業の一環かもしれないが、お金がないから融資をお願いしているのに、融資と前後して定期預金などを要請されると。金融機関に対して節度ある対応を要請すべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。

さて、二〇〇二年度の中小企業白書によりますと、倒産した経営者がどれくらい経営者として再起しているか、日本とアメリカを比較した調査結果が発表されております。それによりますと、アメリカでは約四七%が再起していますが、日本ではわずか一三%しかいない。文化や商習慣などの違いがあるので一概には言えないと思いますが、日本ではなかなか再起が難しい結果となっております。したがって、再起率の低さから考えますと、倒産するまでにさまざまな手段を講ずるべきであります。

その一つが、ことし四月に施行された改正産業再生法に基づき設置された中小企業再生支援協議会の活用であろうと思います。この協議会は、都道府県単位で商工会議所などに置かれることとされ、本県では、福岡商工会議所内に設置されています。経営環境が悪化していても経営者に事業再生への意欲があり、協議会がその可能性があるとみなした中小企業を対象に支援することになっております。通常の個別相談で対応できる場合は既存の中小企業支援センターを紹介し、再生が極めて困難な場合は法的再建などを紹介することになります。そこで、協議会が直接支援対象とするのは、事業再生の見通しは可能だが、経営改善計画の策定支援が必要な中小企業になります。その場合、協議会では、実務経験豊富な専任スタッフが直近の財務状況や資産、負債などの現況を調査の上、広範な角度から検討を進めます。公認会計士や税理士、弁護士など再生支援に明るい腕ききの専門家で構成する支援チームを編成し、関係する金融機関とも連携をとりながら再生計画を策定、実施していきます。支援される中小企業にとってみれば、経営上の有力な助言が得られ、単独では対応が困難な金融機関との調整も任せることができます。支援によって地域経済に欠かせない産業や技術を守り、経済効果を上げるとともに、地域の雇用を確保することが期待されています。以上が中小企業再生支援協議会設置の趣旨であります。本県の協議会の実態はどうなっているのでしょうか。また、これまでの実績や県民の皆さんに対する周知はどうなっているのかお答えください。

次に、雇用問題についてお尋ねします。
最初に、高校新卒者の雇用問題についてであります。来春卒業予定で就職を希望する高校生の就職内定率、九月末現在では、全国平均で三四・五%となり、ほぼ三人に一人しか就職先が決まっていないことが厚生労働省の調査でわかった、福岡県は全国平均より低く二一・三%であり、全国でも六番目に低い就職内定率であると報道されておりました。本県において、本年三月末現在で高校新卒者の就職希望者数は、七千二百七十九人のうち六千百六十三人が県内就職希望者、求人数は県内七千四百十八人で、内定者数五千百十七人、県内の求人倍率が一・二倍、県内内定率が八三・〇%でした。十年前の平成六年の三月末現在では、高校新卒者の就職希望者数は、一万四千九百七十二人のうち一万二千六百十四人が県内希望者、県内求人数が二万七千百九十六人、県内求人倍率が二・一六倍で、県内内定率は九二・六%でありました。

福岡県内の求人倍率は、長引く不況の中で、中小零細企業の倒産も年々ふえ続けている厳しい雇用情勢が反映し、求人倍率は下降の一途をたどっております。他県の状況も同じであり、九州各県からも福岡県に就職を求めて来ております。本県内の県内希望の新卒者が求人数だけ就職できるとは限りません。推計で一千人以上の新卒者がアルバイトするか県外に職を求めるかであります。さらに言えば、求人倍率の低さが選択の幅を縮め、ミスマッチの原因を招き、離職の可能性を高め、フリーター増にもつながっていると考えられます。県内求人倍率が年々減少の傾向をたどっていることは、本県の将来に大きな不安の影を落とすことになるのではないでしょうか。若手の労働資源確保は、知事の目指す日本一元気な福岡づくりには欠くことのできない重要な課題ではないでしょうか。知事はマニフェストの中で、八万人の新しい雇用を生み出すと約束されておりますが、そのうち高校新卒者など若者の雇用はどのように考えておられるのか、また高校新卒者の求人対象にできる生産、情報、サービス部門などの企業の誘致を積極的に展開する必要があると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。

次に、障害者の雇用対策について質問します。
厳しい経済情勢の中、障害者の就職は大変困難をきわめており、障害者の雇用問題は深刻な社会問題となっております。昨年の民間企業における障害者の雇用率が全国で一・四七%、福岡県でも一・六%と法定雇用率の一・八%を下回っております。本県における未達成企業数も対象企業全体の五三・七%に当たる千二百七十社あります。そして、全九州では雇用率最下位であります。また、ことしの九月末現在でハローワークを通して仕事を探している障害者は前年比四・四%増の六千六百四十一人おられます。まず、この現状について知事の所見を伺うとともに、今後の県独自の対応策についてお答えください。

例えば、障害者雇用に前向きな事業主に対しては、福祉施設や養護学校などの現場を見てもらう見学会を開催するとか、また事業主の理解を深めるためには、障害者を実際に職場に受け入れ、経験する、いわゆる障害者インターンシップ制度を導入すべきだと考えますが、いかがでしょうか。北九州市に開設された障害者就業・生活支援センターは、障害者にとって、文字どおり生活、就労などの全般に大変有効な事業であります。しかしながら、県内まだ一カ所しかありません。ぜひ障害者就業・生活支援センターを増設すべきだと考えますがいかがでしょうか、お答えください。

次に、重度障害者の在宅就労支援について伺います。厚生労働省は、二〇〇四年度に作業所や授産施設などに通えない重度障害者に対して、パソコンなどを利用して自宅でも作業が可能な就労の道を開くことを目的として、ITを活用し、障害者に在宅就労の機会を提供するバーチャル工房を全国二十カ所で展開する方針を固めていますが、本県こそ、このような国の新規事業に対し、障害者雇用の観点から前向きに取り組むべきだと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。

次に、知的障害者の就労支援について伺います。県内の知的障害児者は、昨年三月末現在で障害児五千五百七人、障害者は二万百人おられます。しかし、十八歳以上の就業状況といえば、企業等で就業されている方は千九百四十八人で全体の九・七%、通所及び入所授産施設や作業所勤務者は三千六百六十七人で一八・二%、そして働いていない方は一万四千四百八十五人で、何と七二%を占めております。このような実態から、知的障害者の自立した生活が可能な就労を促進、実現していくために、抜本的なてこ入れが今こそ必要だと思います。県では、今年度、知的障害者の職場実習事業を実施しておりますが、この事業は、事業主の知的障害者に対する理解と知的障害者の職場に対する理解を相互に深める大変意義のある事業と思います。しかし、実習期間が一カ月間では、果たして効果はあるのか、そして緊急雇用事業として来年度も継続される方針を持たれているのかお聞かせください。

また、さらなる知的障害者の就労支援の充実強化に向け、既存施策の現状と課題を分析、整理し、また障害者団体や企業経営者、弁護士等にも参加してもらい、一、人的支援のあり方、二、企業と施設の連携、三、職業訓練のあり方、四、新たな職域の可能性について検討を加え、早期に新たな支援方策を再構築してはいかがでしょうか、知事の誠意ある答弁をお聞かせください。

次に、引きこもり雇用対策について伺います。埼玉県は、引きこもりの状態にある人を対象に、職場体験などを通して社会復帰のためのリハビリを行う、引きこもり社会体験事業を九月から始めております。復帰の意思があっても、正式に働くことには抵抗がある人をサポートすることを目的としております。具体的には、企業や農家、商店、市民活動団体から職場体験やボランティア体験の場を提供する引きこもりサポート事業所を県行政が公募する。そして、応募した事業所は、引きこもりの人との接し方などについての研修を受け、一人を受け入れるたびに、県より一日当たり千円の委託料が支払われる仕組みとなっておるそうでございます。本県も引きこもりに関する相談窓口は幾つかありますが、実際には社会復帰につなげる支援策は不十分と思われます。社会体験を通して復帰への第一歩を踏み出しやすい福岡版サポート事業を考えてはいかがでしょうか、お答えください。

次に、福祉問題、一点目は、県が現在見直し作業を進めている障害者プランについて伺います。今年度が同プランの五カ年計画の終期に当たり、これまでの事業についての進捗状況などの点検作業を急がれていると思いますが、ここ数年間、福祉をめぐるさまざまな環境の変化が急であります。社会福祉事業の構造改革を初め措置から支援へ、あるいは施設から地域へなどと、いずれも障害者の自立、自活化へのスピードアップが図られてきていると痛感いたします。こうした点を含め、県としてどのように状況把握、認識されているのでしょうか。障害のある人がない人と同等に生活し活動できる社会の実現に向けて、より一層その施策の充実策が求められているところですが、プランでは、障害保健福祉圏域を設定し、障害者の生活を支える社会復帰施設やホームヘルプサービス等の基幹的な事業については数値目標を示されていることは評価するのですが、我が会派が何回となく指摘してきた重症心身障害児者や精神障害者対策など、障害種別に見ると数値目標は必ずしも順調に達成されているとは言えない状況であります。障害者の自立、自活をより一層進める上で、量的に、また質的に施策について格段の拡充策が急務と考えます。知事の見解を求めます。

それから、障害の範疇に加えられていない高次脳機能障害、発達障害児者などについての障害者プランへの位置づけはいかがでしょうか。自立が困難であるため、バックアップ体制の確立が急がれております。知事の見解を求めます。

次に、国の補助事業から一般財源化された障害者相談支援事業等についてお尋ねいたします。言うまでもなく、相談支援事業は支援費制度におけるかなめ的な事業であり、一般財源化が打ち出された際には、障害者団体等から、後退につながるとして反発が起きたことは記憶に新しいところであります。県は、十五年度については、とりあえず現行事業を継続するものの、十六年度以降は財政事情等から予断を許さないとの姿勢をとってきました。そこで伺います。十六年度以降の同事業の取り扱いはどうなっているのか、新年度予算の査定も近い時期であります、お答えください。

次に、ケアマネジャーやヘルパーの養成についても伺っておきます。支援費制度のねらいが、サービスに対する自己選択、自己決定と地域福祉の拡充にあることは言うまでもありません。そのためには障害者に関して専門スキルを有するケアマネジャーやホームヘルパーの養成が不可欠なこともこれまで指摘されてきたところであります。支援費制度が始まって半年以上がたちますが、利用者や保護者等から、もっと専門的なスキルを持った人材をつくってほしいという苦情や要望は随所に出ております。そこで伺います。障害福祉に携わるマンパワー確保の一環として、このケアマネジャーとヘルパーの養成は急務であります。どのように養成されるのか、具体的な計画をお示し願います。

次に、児童虐待についてであります。
児童虐待防止法が施行されて以来、虐待されて傷つく子供たちを保護することを第一義にした同法のもと、児童虐待への社会認識は大きく変わってまいりました。しかしながら、その実態は、依然として虐待がふえ続け、その被害も深刻化する一方であります。厚生労働省の調査によりますと、児童虐待相談件数もここ数年の間に急増し、平成十四年度は、児童虐待防止法が施行される直前の平成十一年度の二倍を超える二万四千百九十五件に増加しているとのことであります。虐待したのは、実母が六一・六%を占め、件数にすると前年の約一・七倍、実父は二三・七%で、件数は約一・五倍、また虐待を受けたのは未就学の乳幼児が四九・三%と発表されました。ことしに入ってからも、幼い子供が親などの暴力の犠牲になる事件が後を絶ちません。先月十五日には、千葉県で母親と祖母から虐待された五歳の女児がとうとい命を落としました。また、十八日には、福岡県で父親の暴行を受けた生後四カ月の女児が亡くなるという痛ましい事件が起こりました。児童相談所や市役所の方もできる限りのサポートをしていただいたと伺っておりますが、幼いとうとい命を守れなかったことはまことに残念でなりません。このとうとい犠牲をむだにしないためにも、今こそ真に実効性のある虐待防止策について、改めて考え直さなければならない時期に来ているのではないでしょうか。

社会保障審議会児童部会において、今後の児童虐待防止対策のあり方などに関する報告書が取りまとめられております。この報告書は今のところは案の段階ですが、この中で、虐待は子供に対する重大な権利侵害であり、その防止に向けては社会全体で取り組む重要な課題であるとの認識に立ち、早期発見、早期対応のみならず、発生予防から虐待を受けた子供の自立に至るまでの各段階において切れ目のない支援体制が必要であると述べており、具体的には、市町村における取り組みの強化や、虐待を受けた子供のみならず虐待を行った親に対する治療や指導の充実の必要性が盛り込まれております。本県における今後の虐待防止対策についてお尋ねします。

まず、子育てに悩む家庭への支援策についてであります。過日の新聞によりますと、一歳から七歳未満の子を持つ母親の五人に一人が、自分も我が子を虐待するのではないかと悩んでいるそうであります。また、育児不安や経済的不安で生活にストレスが積み重なることや、社会的に孤立して援助者がいないことは、虐待が起こり得る要素であるとの研究結果が出ております。私は、この問題の解決には、子育てに悩む母親を孤立させずに、地域社会で支えることが大事ではないかと考えております。そこで、本県において、虐待を未然に防ぐ意味から、母親の不安を解消するために、地域に密着したきめ細やかな子育てに関する相談支援体制を築くことがまず必要と考えますが、知事の見解をお伺いいたします。

次に、不幸にして虐待を受けた子供や虐待を行った親に対しての心のケアや指導の充実を図ることが重要であります。さらに、虐待は繰り返されます。一時的な心のケアや指導では完治できません。長期的なサポート体制づくりが必要であります。知事の見解をお聞かせください。

この項の最後に、教育長にお尋ねします。私は先日、幾つもの虐待事例にかかわった児童相談所の方と意見交換する場がありました。その方は、親になる資格のない人間が親になっていると語っておりました。つまり、精神的に自立していない大人が子供を産んでいるということであります。虐待を行う原因が、虐待を行う親の人格形成が十分なされていないところにある、したがって子供の人格形成には家庭教育の責任もある、しかしながら、学校教育の責任も大きいのであります。虐待をしない自立した人間に育て、生命尊厳の精神を培う教育が今こそ求められているのではないでしょうか。教育長の見解を求め、この項の質問を終わります。

次に、教育問題、最初に、少人数学級の導入について伺います。少人数学級は、国が二〇〇一年度から認め、今年度では、全国三十道府県で実施されています。本年四月一日、標準法の改正によって市町村別の教職員定数の範囲内で、各市町村教育委員会の判断により、学級編制の一層の弾力的運用が可能となりました。本県においても来年度から、市町村雇用の非常勤講師の活用、構造改革特区による市町村費負担教職員任用事業の活用で、少人数学級を実施する市町村があれば福岡県は同意する方向を示すことになりました。文部科学省は、都道府県が公立小中学校で少人数学級を導入しやすいよう、国の負担を見直す方針を固め、来年度から実施することを決めました。都道府県から、習熟度別のグループに分けて教える少人数指導のために追加配置されている教員を少人数学級に使いたいとの要望に、文部科学省は目的外使用だとして認めていなかったが、方針を転換したことによって、都道府県は来年度から、加配教員を少人数指導に充てるか少人数学級に充てるかを選択することができるようになったのであります。少人数学級については、国は矢継ぎ早に標準法の弾力化を認め、さらに負担まで柔軟化して導入を認めようとしております。我が会派は、九月議会の代表質問でも、現場を調査した上で、少人数学級は本県の小中学校でも導入するべきだと教育長にただしました。

教育長に伺います。少人数学級に対してどのような考えをお持ちなのか率直にお答えください。また、国が少人数学級を実施しやすいように制度を弾力化しています。市町村の自発を待つのではなく、県が主体となって少人数学級を導入してはいかがでしょうか、お答えください。

次に、教員表彰制度について伺います。現在本県では、教員の表彰制度として福岡県教育文化表彰と教育論文表彰があります。これは校長及び教員、事務職員などの長年の功労に対して定年間際に贈られるものと、優秀論文者に贈られるものであります。昨今、教員の資質をめぐる話題が各方面で論議を呼び、教員の質の向上が叫ばれておりますが、優秀な教員、優秀な教育実践を評価し、顕彰する制度が教育立県を掲げる本県にはぜひとも必要ではないでしょうか。埼玉県は本年十一月、学習指導や特別活動などで実績を上げている教員に対し、埼玉県はつらつ先生表彰を授与しました。同表彰は今年度から始まったもので、教員の努力や成果を高く評価し意欲を引き出すのがねらいであります。今回のはつらつ先生は、小学校九人、中学校七人、県立高校二人、県立養護学校一人の計十九人、選定された先生の実績は、算数の授業ですぐれた指導力を発揮、また陸上競技で生徒の全国大会出場に貢献、学校と保護者、地域との交流活動に全国レベルで高い評価などなどが挙げられておりました。埼玉県教育委員会は、表彰を受けた先生が各種研修会で講師として活躍できるような場をつくりたいと話しております。

そこで、提案をいたします。学校教育現場には、教科指導、生徒指導あるいは進路指導など各分野ですばらしい成果を上げている先生がおられます。児童生徒のために意欲と情熱を持って日々の教育活動に取り組む先生を顕彰し、教員のやる気を喚起し、教育の一層の推進が図れるよう、新たな教員表彰制度を創設すべきだと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。

最後に、安全、安心まちづくり条例について知事、教育長及び県警本部長に質問します。

近年、社会の匿名性の増大や住民の連帯意識の希薄化などを背景に、我が国の犯罪が急速に増大しております。平成十四年の刑法犯認知件数は二百八十五万件に達し、七年連続で戦後最高を更新するに至りました。特に、住宅への侵入犯罪やひったくりなど、市民が身近に脅威を感じる犯罪の増加が著しいのが特徴とされております。こうした犯罪が発生、増加している背景としては、さまざまな要因があり即断は難しいところでありますが、次のような点が指摘されております。すなわち、一、地域社会の一体感、連帯意識の希薄化、二、遵法意識、遵法精神の低下、三、ライフスタイルの変化に伴う自己中心の風潮、四、犯罪の発生を容易にする社会環境の出現、五つ目、少年非行の深刻化、六つ目、来日不良外国人の暗躍、七、長引く不況による経済情勢の悪化などであります。

こうした中、市民の犯罪に対する不安感も増加しております。財団法人社会安全研究財団が昨年三月に行った犯罪に対する不安感等に関する世論調査によりますと、犯罪被害に遭いそうな不安を感じるかどうかについて、不安を感じると答えた人は約四一・四%、同財団が五年前に実施した調査の約二六・八%に比べて、約一五ポイントも増加しております。不安を感じる犯罪については、空き巣の割合が最も高く、次に通り魔的犯罪、すり、ひったくり、車上ねらい、自転車窃盗の順で、人々は身近なところで発生する犯罪に不安を感じていることがわかる内容となっております。福岡県内においても、福岡市東区の一家四人殺害事件や同市南区で登校途中の小学生が火をつけられた事件、北九州市小倉北区での暴力団によるクラブ爆発事件など、いずれも生活の身近なところで発生した凶悪事件として記憶に新しいところであります。こうした事件に起因し、県民が体で感じる不安感が増加し、体感治安が低下していることは間違いないところです。

このような社会的変化を背景に、国においては、昨年十一月、内閣官房都市再生本部事務局、警察庁、文部科学省、国土交通省が防犯まちづくり関係省庁協議会を発足させました。同協議会は、ことし七月二十四日に「防犯まちづくりの推進について」と題する提言をまとめ、従来はその接点の乏しかった防犯とまちづくりを相互に組み込み、犯罪が起こりにくく犯罪に対して抵抗力があるまちづくりを行うことの必要性を説いております。そして、そのための重要な観点は、住民、ボランティア団体、地方公共団体、学校、警察などさまざまな主体の連携であると指摘しております。

一方、地方公共団体にも、条例を整備し、こうした防犯まちづくりを推進する動きが活発化しております。ひったくり犯罪件数が二十七年連続でワーストワンになるなど犯罪の多発に頭を抱える大阪府は、犯罪防止に関する総合的な条例としては都道府県レベル初の安全なまちづくり条例を昨年四月に施行。行政、事業者、住民が一体となって防犯対策を推進しております。同条例の最大の目的は、府民一体の運動として防犯対策に取り組むこととしており、一点目、オール大阪の府民運動として犯罪防止に取り組む推進体制の根拠を規定、二点目に、学校、通学路など子供の安全確保を特に重視、三点目、犯罪が発生しにくい環境へ、安全の視点を盛り込んだ道路、公園、駐車場、共同住宅などの普及を推進、四点目、正当な理由のない鉄パイプなどの携帯やピッキング用具の有償譲渡を禁止し罰則を規定、などが主な柱となっております。昨年六月には、府、府警本部、市町村、事業者、地域団体など四十四団体で構成する推進主体、大阪府安全なまちづくり推進会議を発足させ、ひったくり防止街頭キャンペーンを相次いで開催し、女性や高齢者にひったくり防止カバーやホイッスルなどを配布したり、ひったくりを題材としたパントマイムや防犯用品などを展示、十二月には、安全ガイドブック・ひったくり編を二万部配布するなど、啓発活動に力を注いでおります。地域の防犯対策を強化するため、まちづくり推進会議の地域版とも言える推進協議会も六十の警察署単位すべてで立ち上げております。また、大阪府は、地域に根差した協議会などの活動を支援するため、昨年度、全市町村に安全対策事業費として一律三百万円を補助、防犯灯の増設や公園の見通しをよくする草刈り、学校施設の修繕などが進んでおります。こうしたきめ細やかな取り組みによって、大阪府の平成十四年の刑法犯罪件数は三十万四百二十九件となり、主要府県が増加傾向にある中で、平成十三年に比べて二万六千八百三十三件減の八・二%も減少。平成十四年のひったくり発生件数は依然として全国トップだったものの、九千百九十七件と前年よりも千二百九十三件、一二・三%減少しております。今年度は、市町村のひったくり防止対策に最大五百万円を補助する新事業をスタートさせるなど、一層の対策強化に努めております。

また、ことし六月、警察庁の現役官僚を副知事に選任、治安対策本部長に任命して都庁を挙げた治安対策に乗り出した東京都は、この十月には、都道府県レベルでは五例目になる安全・安心まちづくり条例を施行しました。同条例は、都民の結束と犯罪が起こりにくいまちづくりを二本柱に据え、全都民の取り組みを推進する仕組みとして、都レベルの協議会と地域レベルでの五十程度の協議会を設けることを定めているほか、まちづくり策では、犯罪が起こりにくい構造にするため、住宅、道路、公園、駐車場、また学校などの指針を示すことを規定。道路、公園、駐車場では、街路灯の照度、見通し、管理者の巡回などのメニューが想定されており、学校では、校内外パトロール、安全教室の開催、いざというときに子供が助けを求められる家の拡充などが検討されております。また、治安対策本部では、とりわけ少年、外国人犯罪対策に力を注ぎ、具体策の検討を精力的に進めております。同様の条例は、九州では大分県が制定を目指して検討を進めておりますが、大分県の条例案は、観光客の安全、安心にも配慮していることが特徴となっております。

そこで、お伺いします。まず、福岡県内の犯罪情勢ですが、平成十四年度の刑法犯罪の認知件数は何件ですか。それは十年前の件数と比較してどれぐらいの増減があるのでしょうか。また、ひったくり、非侵入強盗、車上ねらい、自転車盗などの街頭犯罪及び侵入窃盗、とりわけピッキングやドアのすき間から加工した針金やドライバーなどを差し込んで内側のロックを解除するサムターン回しなどの新たな手口の犯行について、同様のデータをお示しください。

こうした犯罪に対して、県警、また知事部局として、これまでどんな防犯対策をとってきたのか、それぞれお答えください。

また、大阪の池田小学校の事件などを契機に、教育庁においても防犯対策に力を入れてきたことと思います。これまでの対策についてお示しください。

また、大阪、東京などのような安全、安心まちづくり条例を我が県としても検討し、犯罪に強いまちづくり、また犯罪に対し県民が一丸となって立ち向かえる体制を整備すべきときと考えますが、知事、県警本部長はどうお考えか伺います。

条例制定への動きは県内の市町村にもあると伺っておりますが、この場合、特に県警の協力は不可欠です。県内市町村が防犯条例を制定する際には、特段の協力をお願いして、私の代表質問を終わります。

御清聴まことにありがとうございました。

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